花壇を駐輪場にするときの注意点|必要な広さ・地面づくり・舗装材・水はけ
家族の自転車が増え、玄関まわりや塀の前に置きっぱなしになっている。花壇だった場所を駐輪場にできれば片付くと思っても、土の花壇に何台置けるのか、どこまで工事が必要なのかが分からず、計画が止まっている方は少なくありません。
株式会社プラッツのエクステリアプランナー、藤田です。花壇は、土をやわらかく耕し、ブロックなどで囲ってある場所です。自転車は車より軽いものの、毎日押して出し入れし、スタンドを立てて停める道具のため、地面の硬さ、平らさ、段差が、そのまま使いやすさにつながります。広さの確認、工事の流れ、床材、水はけの順に整理します。
目次
花壇の跡地に何台置けるか|自転車の寸法と広さの考え方
最初に確認するのは、停めたい自転車の寸法と、花壇の跡地の広さです。一般的な自転車は、長さが約1.8〜1.9m、ハンドルの幅が約0.6mです。電動アシスト自転車や子ども乗せ自転車は、長さが約2mになるものがあり、車体も重くなります。実際に停める自転車は、メーカーの公表値か、メジャーで測った寸法で確認します。
複数台を横に並べるときは、ハンドル同士が当たらない余裕が必要です。ハンドル幅ぎりぎりで並べると、1台を出し入れするたびに隣の自転車を動かすことになります。一般的な目安として、1台あたり幅60〜70cm前後を見ておくと、扱いやすくなります。斜めに置く、前後をずらすといった置き方で、必要な幅は変わります。
見落とされやすいのが、自転車を出し入れするための通路です。自転車は、停める場所だけでなく、押して歩くための幅と、向きを変えるための余裕が要ります。奥に停めた自転車を出すとき、手前の自転車を動かさずに済むかどうかも、使いやすさを左右します。
測るときは、花壇の内側だけで判断しないでください。花壇の外側の通路、塀や建物の壁、勝手口や窓の開閉範囲、エアコンの室外機、水道メーターなど、置けない場所や、動かすのが難しいものを先に把握します。台数は、今の人数分だけでなく、子どもの成長で増える可能性も含めて考えます。
花壇を撤去して舗装するまでの工事の流れ
花壇を駐輪場にする工事は、大きく「撤去」「地面づくり」「舗装」の3段階です。更地への舗装と違い、最初の撤去と地面づくりに手間がかかります。
撤去:ブロック・土・植栽を取り除く
花壇を囲うブロックやレンガ、中の土、植えられている草花や樹木を取り除きます。樹木は、幹を切るだけでは根が地中に残り、あとから舗装を持ち上げることがあるため、抜根が必要かどうかを確認します。取り除いた土は残土として処分が必要で、花壇が深いほど量が増えます。花壇のブロックが、境界のブロック塀や擁壁と一体になっている場合は、撤去によって塀に影響が出ないかを先に確認します。
地面づくり:沈まない地盤にする
花壇の土は、植物が育つようにやわらかく耕されており、そのままでは舗装の下地に向きません。自転車は車ほど重くありませんが、スタンドの接地面は小さく、そこに荷重が集中します。やわらかい地面だと、スタンドが沈んで自転車が傾きます。そのため、必要な深さまで掘り下げ、砕石を敷いて、ランマーやプレートで押し固める転圧を行い、路盤をつくります。花壇だった部分だけ土が残ったまま舗装すると、そこだけ沈んで、ひび割れや段差の原因になります。
舗装:材料ごとに仕上げる
土間コンクリートの場合は、ひび割れを抑えるワイヤーメッシュ(鉄筋の網)を入れ、コンクリートを打設します。車が乗り入れない場所では、駐車場ほどの厚みを必要としないことが多いものの、下地の状態や、バイクを置く予定があるかどうかで仕様は変わります。あわせて、ひび割れの位置を制御するための伸縮目地を設けます。
着工前に確認したい埋設物と工事範囲
花壇の周辺には、水道メーター、散水栓、排水桝などが埋まっていることがあります。舗装で隠さずに点検できる状態を保つ必要があり、蓋の位置と高さを舗装面に合わせて計画します。工事範囲も重要です。花壇の部分だけを舗装するのか、既存の通路や玄関前とつなげて一体で舗装するのか。つなぎ目には段差やひび割れが出やすいため、境目の処理を事前に決めておきます。
花壇を撤去して使い方を変えた事例として、花壇を撤去して駐輪スペースにリフォーム@世田谷区 | エクステリア&ガーデン プラッツもあります。
駐輪場の舗装材の選び方
駐輪場の舗装材は、見た目だけで決めると、使い始めてから不満が出ます。自転車の場合は、スタンドが沈まないか、押して歩きやすいか、雨の日に滑らないか、手入れがどれだけ必要かで比べます。
土間コンクリート
表面が硬く平らで、スタンドが沈みにくく、自転車を押しやすい舗装です。掃除もしやすく、手入れが少なくて済みます。仕上げの方法には注意が必要で、表面をなめらかに仕上げると、雨の日に滑りやすくなります。刷毛(はけ)で表面に細かい筋をつける「刷毛引き仕上げ」にすると、滑りにくくなります。水を通さないため、排水の計画が欠かせません。
砂利
水を通し、材料としては手軽です。ただ、自転車の場合は、タイヤが砂利に取られて押しにくく、スタンドも沈みやすくなります。雑草対策に防草シートも必要です。花壇の跡地では、やわらかい土の上にそのまま敷くと不同沈下(場所によって沈み方が違うこと)が起きやすく、砂利でも下地づくりは舗装と同じように必要です。
インターロッキングブロック・平板
ブロックや平板を敷き並べる舗装で、色や模様で表情をつけられます。部分的に補修しやすい利点もあります。一方、下地が不十分だと、1枚ずつ沈んで段差が出ます。自転車は小さな段差でも、押すときに引っかかります。下地づくりと目地の仕上げが品質を左右します。
透水性舗装
水を通す性質のある舗装で、雨水を地面に戻したいときに検討します。ただし、舗装が水を通すことと、地盤の水はけがよいことは別です。土質によっては水が抜けにくく、期待した効果が出ないこともあるため、敷地の状況を見て判断します。

水はけと勾配で失敗しないために
花壇は土が雨水を吸い込んでいたため、水の行き先を意識することが少ない場所でした。舗装すると雨水は染み込まず、表面を流れます。行き先が決まっていないと、自転車を停める場所に水たまりができたり、建物の基礎まわりや玄関、隣地、道路側へ水が回ったりします。
対策の基本は勾配(傾き)です。舗装面にわずかな傾きをつけ、水を排水桝や側溝など、受け止められる場所へ導きます。傾きが緩すぎると水が残り、きつすぎると、停めた自転車が傾いたり、動いたりします。適切な値は、舗装材や敷地の条件で変わるため、現地で決める必要があります。
花壇が周囲より低く掘り込まれている場合は、さらに注意が必要です。土を取り除くと、そこが水のたまる窪みになります。舗装面を周囲の高さに合わせるときは、砕石などで高さを上げて、水が外へ流れる傾きをつくります。
自分でできる確認として、雨の日に、花壇のまわりで水がどちらへ流れているかを見ておくと、勾配と排水先を決める材料になります。近くに排水桝があるか、玄関や建物側へ水が流れていないかも見ておいてください。
よくある質問
Q. 花壇の一部だけを駐輪場にすることはできますか?
可能です。範囲は、停める自転車の台数と、出し入れに必要な通路から決めます。花壇を少し残す場合は、残した部分の土や植物が舗装面にこぼれ出ないか、自転車のペダルやハンドルが植物に当たらないかも合わせて検討します。
Q. 舗装したあと、すぐに自転車を置けますか?
土間コンクリートは、打設後すぐには使えず、固まるまでの養生期間が必要です。期間は気温や配合、施工方法で変わるため、工事前に、いつから使えるかを確認してください。
Q. 見積もりを依頼する前に、何を用意しておくとよいですか?
花壇と周囲の写真、おおよその寸法、停める自転車の種類と台数、そして雨の日に水がどちらへ流れるかのメモがあると、現地確認がスムーズです。図面があれば、あわせて用意してください。
まとめ
花壇を駐輪場にできるかは、三つで判断します。停めたい台数と、出し入れの通路を含めた広さがあるか、花壇の土を取り除いて沈まない地盤をつくれるか、雨水の行き先を確保できるか。舗装材は、この三つが固まってから、押しやすさや手入れの手間、見た目の好みで選びます。花壇のブロックが境界の塀と一体になっている、配管が通っている、周囲との高低差が大きいといった場合は、現地を見ないと判断できないため、専門業者への相談が向いています。
不安なことがあれば、エクステリア専門会社 プラッツにご相談ください。



