ロックガーデンに合うシンボルツリーとおしゃれな低木・植栽の組み合わせ
はじめまして。株式会社プラッツ エクステリアプランナーの藤田です。ロックガーデン外構は、個性的でローメンテナンスなデザインとして近年大変人気が高まっています。
しかし、「どの木を選べば、無機質な石と美しく調和するのだろう?」「シンボルツリーの足元に、どんな低木や植栽を組み合わせれば、おしゃれな仕上がりになるの?」と、具体的な植栽選びで悩む方は少なくありません。
この選び方を間違えると、せっかくのロックガーデンが台無しになり、すぐに手入れが必要になってしまうリスクがあります。この記事では、ロックガーデンの雰囲気を最大限に引き出し、失敗しない植栽計画のための具体的な樹種やレイアウトのコツを、プロの視点で徹底解説します。不安なことがあれば、エクステリア専門会社 プラッツにご相談ください。
目次
1. ロックガーデンを引き立てるシンボルツリーの選び方【モダン・ナチュラル別】
シンボルツリーは、ロックガーデンの雰囲気を決める最も重要な要素です。「ロックガーデン」と一口に言っても、ワイルドな雰囲気から、シンプルでモダンな雰囲気まで幅があります。
あなたの家の外観や、ロックガーデンの石の質感に合わせた樹種を選ぶことが、おしゃれな植栽計画の第一歩です。
モダン・シャープな外構に合うシンボルツリー
グレーや黒の割栗石(わりぐりいし)を使用した、モダンで無機質なロックガーデンには、縦のラインが強調されるような、スマートな樹形が似合います。
- アオダモ: 株立ち(根元から複数の幹が立ち上がっている状態)の樹形が美しく、葉が細かいため軽やかな印象を与えます。
- ハイノキ: 繊細な樹形で、洋風・和風どちらのモダンな外構にも合わせやすい、人気の高い常緑樹です。
これらの樹種は、ゴツゴツとした石の力強さと対比し、洗練された空間を演出してくれます。
ナチュラル・リゾート風に合うシンボルツリー
ゴロタ石や明るい色の石、溶岩石などを使用した、リゾートやナチュラルな雰囲気のロックガーデンには、葉の色や形に特徴がある木がおすすめです。
- オリーブ: シルバーグリーンの葉が特徴で、ロックガーデンの乾燥した環境にも強く、異国情緒あふれる雰囲気を醸し出します。
- ソヨゴ: 深い緑色の葉が美しく、成長が緩やかなため、ローメンテナンスを重視する方にも最適です。
特にオリーブは、ロックガーデン特有の荒々しさを、優しく調和させる力があります。
2. ロックガーデン植栽の主役!相性の良い「常緑樹」と「落葉樹」の種類
シンボルツリーを選ぶ際、「常緑樹」にするか「落葉樹」にするかは、手入れの頻度と景観に大きく関わる決断です。
ロックガーデンの特性を踏まえ、植栽計画を立てましょう。
ロックガーデンで活躍する常緑樹(ローメンテナンスの基本)
常緑樹は一年中葉がついており、目隠し効果が高いだけでなく、落ち葉掃除の回数が少なくて済むという、ローメンテナンスにおいて最も大きなメリットがあります。
- シマトネリコ: 丈夫で成長が早い人気の樹種。ただし、定期的な剪定は必須です。
- アセビ(馬酔木): 葉が密で、小さな白い花を咲かせます。背があまり高くならない種類を選べば、手入れが楽です。
ただし、常緑樹も古くなった葉は落とします。ロックガーデンの隙間に葉が溜まらないよう、葉が細かく落ち葉の目立たない種類を選ぶのが、プロのコツです。
ロックガーデンでアクセントになる落葉樹
落葉樹は冬に葉が落ちる分、四季の変化を楽しませてくれる魅力があります。ロックガーデンに季節感を加えたい場合に最適です。
- ヤマモミジ: 紅葉が美しく、和モダンなロックガーデンにも映えます。
- サルスベリ(百日紅): 夏に鮮やかな花を咲かせ、ロックガーデンのゴツゴツとした雰囲気に華やかさを加えます。
落葉樹を選ぶ場合は、秋の落ち葉掃除は避けられません。掃除のしやすさを考え、植える場所を検討しましょう。
3. シンボルツリーの足元を彩る「低木」と「地被植物」の組み合わせ術
ロックガーデンの植栽計画で最もセンスが問われるのが、シンボルツリーの足元、つまり低木と地被植物(ちひしょくぶつ)の組み合わせです。
地被植物とは、地面を覆うように広がる植物のことで、雑草対策にも重要な役割を果たします。
高低差を生む低木とグラス類
ロックガーデンには、背が低く、葉の形に個性がある植物を選び、立体感を出すことが重要です。
- ニューサイラン: シャープな剣状の葉を持ち、リゾート風やモダンな外構に強いアクセントを与えます。
- グラス類(フイリヤブランなど): 風に揺れる姿が美しく、ロックガーデンの硬い印象を和らげ、自然な動きを加えます。
これらの低木を、シンボルツリーの周囲にランダムに配置することで、プロのような奥行きのある景観が生まれます。
地被植物による隙間埋めと雑草対策
ロックガーデンの石と石の間に土の隙間があると、そこから雑草が生えてきます。これを防ぐのが、セダムやタイムなどの地被植物です。
- セダム(マンネングサ): 多肉植物の一種で、水やりがほとんど不要な超ローメンテナンス植物です。乾燥に強く、様々な色や形の品種があります。
- クリーピングタイム: 地面を這うように広がり、ハーブの香りが楽しめます。
地被植物は、景観を美しく保ちながら、雑草の光合成を阻害するという、実用的な役割も担ってくれます。

4. 【プロが厳選】ローメンテナンスで病害虫に強い!おすすめ植栽リスト
ロックガーデンは、基本的に乾燥した環境を作るため、日本の一般的な庭木よりも、乾燥に強く、病害虫が発生しにくい植物を選ぶことが、ローメンテナンスを続ける秘訣です。
私が実際に施工で推奨している、失敗しにくい樹種をご紹介します。
特に乾燥に強いシンボルツリー・低木
ロックガーデンの水はけの良い土壌に特に適応し、水やりや管理の手間が少ない種類です。
- ユッカ(アツバキミガヨラン): ロッキーな雰囲気に最適な、シャープで肉厚な葉を持つ樹種です。
- アガベ(リュウゼツラン): 多肉植物の王様とも呼ばれ、圧倒的な存在感と乾燥耐性を誇ります。モダンな外構に最適です。
- ソヨゴ: 病害虫に強く、特に目立った剪定を必要としないため、常緑樹の中でも非常に人気があります。
これらの樹種は、夏の暑さや乾燥にも強いため、初心者の方でも安心して植栽できます。
病害虫対策を考慮した植栽選び
植栽計画の際に、病害虫がつきやすい植物を避けるだけでも、年間を通じた管理の手間は激減します。
比較的病害虫の被害が少ないのは、葉が硬い樹種や、ハーブ系の植物です。
- ローズマリー、ラベンダー: ハーブ系の植物は、それ自体が虫よけ効果を持つものもあり、ロックガーデンの植栽に適しています。
- グラス類(カレックスなど): 病害虫の心配が少なく、一度植えればほとんど手がかかりません。
植栽の多様性を持たせることで、特定の病害虫が大量発生するリスクを抑えることもできます。
5. 植栽配置の基本:高低差と奥行きを出すためのレイアウトテクニック
植栽の組み合わせが決まったら、いよいよ配置です。プロのロックガーデンは、まるで自然の風景を切り取ったかのような立体感と奥行きがあります。
この感覚的な美しさを実現するための、具体的なレイアウトテクニックをご紹介します。
「三角配置」で奥行きを出す
植栽を配置する際の最も基本的なテクニックが「三角配置」です。これは、異なる高さの植物を3つ、非対称の三角形になるように配置する方法です。
- 一番高い位置にシンボルツリーを配置。
- その手前に、中間の高さの低木(ニューサイランなど)を配置。
- 手前の地面部分に、最も低い地被植物(セダムなど)を配置。
この三角配置を複数箇所で作ることで、空間にリズムが生まれ、単調な印象を避けることができます。ロックガーデンの石の配置と、この三角配置を意識することで、よりダイナミックな景観になります。
「石の陰」を活かした配置
ロックガーデンは、大きな石が熱を吸収し、その陰に日陰ができるという特性があります。
この石の陰を活かして、少しだけ日陰を好む植物(ギボウシなど)を配置すると、ロックガーデン全体の植栽のバリエーションを広げることができます。
また、植物を石の真横や隙間から覗かせるように配置すると、まるで岩の間から自生しているような自然な雰囲気が生まれ、よりプロらしい仕上がりになります。
6. 【よくある質問】 ロックガーデンの植栽に関するQ&A
よくある質問(FAQ)
Q1. ロックガーデンで多肉植物以外に使える植物はありますか?
A. ロックガーデンは多肉植物が有名ですが、それ以外にも使えます。
特に、グラス類(カレックス、フェスツカなど)や、乾燥に強いハーブ類(タイム、セージなど)は相性が抜群です。これらは、多肉植物にはない柔らかさや動きを加えてくれるため、植栽の表情を豊かにしてくれます。重要なのは、日本の湿気を嫌い、水はけの良さを好む植物を選ぶことです。
Q2. シンボルツリーの根が石を押し上げないか心配です。対策はありますか?
A. 根張りが強い樹種の場合、将来的に石を動かす可能性はあります。
対策としては、まず石から十分な距離をあけてシンボルツリーを植えることが基本です。また、根が横に広がりすぎるのを防ぐため、あらかじめ土中にルートバリア(防根シート)を設置する対策も有効です。これは、プロの施工で採用されることが多い、根の成長をコントロールする専門的な技術です。
Q3. 植栽の色のバランスを良くする簡単なコツを教えてください。
A. 植栽の色は、**「緑」をベースに「シルバー」と「アクセントカラー」を加える**のがコツです。
ロックガーデンの植栽では、シルバーリーフの植物(オリーブ、シルバータイムなど)を積極的に取り入れてください。これは、石の無機質な色と、緑のコントラストを中和し、洗練された印象を与えます。さらに、季節の花や紅葉をアクセントカラーとして少量加えることで、全体がまとまりやすくなります。
理想の植栽計画で、ロックガーデン外構を完成させましょう。
ロックガーデンは、シンボルツリーと低木、地被植物の種類と組み合わせが成功の鍵を握ります。乾燥に強い植物を選ぶことで、ローメンテナンス性を保ちながら、個性的でおしゃれな外構を実現できます。
植栽のプロである私たちにご相談いただければ、お客様の外観や石の選定に合わせた、最適な樹種を提案し、病害虫や成長後のリスクを考慮した配置計画を立てることができます。
後悔のない、理想の植栽計画で、あなたのロックガーデン外構を完成させましょう。ぜひ一度、エクステリアの専門家にお任せください。
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