失敗しない外構計画!シンボルツリーと低木選びの法則
はじめまして。株式会社プラッツ エクステリアプランナーの藤田です。
新築やリフォームを機に、理想の庭づくりを考える方は多いでしょう。しかし、「どの木を植えたらいいのか?」「手入れは大変じゃないか?」など、悩みは尽きません。特に、住まいの顔となるシンボルツリーと、その足元を彩る低木の選び方一つで、外構の印象はガラリと変わります。
この記事では、シンボルツリーと低木の組み合わせが外構にもたらす役割、そして失敗しないための選び方の法則を、プロの目線から徹底解説します。将来の成長を見据えた賢い樹木選びと、美しいレイアウトのコツを知り、後悔のない外構計画を進めましょう。
不安なことがあれば、エクステリア専門会社 プラッツにご相談ください。
目次
シンボルツリーと低木が外構にもたらす役割とは?
新築や大規模なリフォームで「いざ植栽を」と考えたとき、多くの方が「まずシンボルツリーをどうするか」で悩まれますよね。このシンボルツリーとは、その名の通り、住まいの象徴となる一本の樹木のことです。
たとえば、玄関前にすらっとした樹形のアオダモや、爽やかな葉を持つハイノキが立っているだけで、建物の外観は大きく変わります。シンボルツリーは単なる装飾ではなく、外観を格上げし、ご家族の成長を見守る大切なアイコンとしての役割を担います。
では、その足元を彩る低木はどうでしょうか。低木は、メインのシンボルツリーを引き立てるための脇役として非常に重要です。
具体的には、シンボルツリーの根元を隠したり、高低差や奥行きを演出して、庭全体に立体感とまとまりを生み出します。地面を覆うように広がる低木や下草は、グランドカバー(地表を覆う植物)と呼ばれ、雑草対策としても効果的です。
実際に私が担当したお宅では、株立ちのアオダモ(根元から複数の幹が分かれている樹形)の下に、常緑で葉が美しいフッキソウや、シックな雰囲気のヤブランといった低木を配しました。これにより、殺風景だった足元がふっくらと豊かな表情に変わりました。
この「高木(シンボルツリー)+低木」の組み合わせこそが、プロの目線で考える失敗しない外構計画の第一歩であり、シンボルツリーをより魅力的に見せるための基本の法則なのです。
新築・リフォームで失敗しない!樹木のベストな選び方
新築やリフォームの際、お客様から「見た目の好みだけで選んで失敗した!」というご相談を非常によく受けます。特に後悔しやすいのが、樹木の「成長スピード」と「最終的な樹高」を見誤ることです。植えた時は可愛らしいサイズでも、数年後には電線に触れるほど大きくなり、頻繁な剪定(せんてい)が必要になってしまうケースもあります。
シンボルツリーを選ぶ上で大切なのは、「ご自身の敷地(スペース)」と「ライフスタイル(手入れの手間)」に合った樹木を選ぶことです。
まず、樹高がコントロールしやすい、成長が比較的穏やかな樹木を選ぶことをおすすめします。
- 落葉樹のおすすめ例: 雑木の庭で人気のアオダモや、ハート形の葉が可愛らしいカツラは、冬の葉が落ちた姿も美しく、モダンな住宅にもよく合います。
- 常緑樹のおすすめ例: 強い日差しにも比較的強く、一年中緑を保つソヨゴや、繊細な葉で人気があり成長が穏やかなハイノキは、剪定の手間を減らしたい場合に最適です。
特に、株立ちの樹木は、単木(一本立ち)に比べて圧迫感が少なく、繊細でおしゃれな印象になるため非常に人気があります。「この樹が将来どうなるか」をプロと一緒にイメージしながら選ぶことで、後悔のないシンボルツリー選びができるはずです。
常緑樹?落葉樹?メリット・デメリットと使い分け
シンボルツリー選びで、常緑樹(じょうりょくじゅ)と落葉樹(らくようじゅ)のどちらを選ぶかで迷うのは当然です。それぞれのメリット・デメリットを知り、庭の目的や立地条件によって賢く使い分けるのがプロのテクニックです。
🍃1. 常緑樹(葉が一年中ついている樹木)
常緑樹は、冬でも緑を保ち、特に目隠しや防風を目的とする場合に有効です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 目隠し効果や防風効果が高い | 葉が一年中落ちるため、落ち葉掃除が長期にわたる |
| 冬でも緑があり、寂しい印象になりにくい | 剪定を怠ると大きくなりすぎて、全体的に重たい印象になりやすい |
- 常緑樹のおすすめ例:
- ハイノキ:樹形が美しく、成長がゆっくりなのが特徴。病害虫にも強く、管理しやすい常緑樹として人気です。
- ソヨゴ: 硬質な葉で目隠し効果も高いです。赤い実をつけるメス株は特に庭に彩りを与えて人気があります。
🍂2. 落葉樹(秋に葉を落とす樹木)
落葉樹は、四季の移ろいを肌で感じることができ、冬は日差しを取り込むため、建物の断熱効果にもつながります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 四季の変化を感じられ、風情がある | 冬場は枝のみになり、目隠し効果がなくなる |
| 葉が落ちる時期が限定的で、掃除の時期も集中する | |
| 夏場は日差しを遮り、冬場は日を取り込むことができる |
- 落葉樹のおすすめ例:
- アオダモ: 株立ちが美しく、樹形が整いやすい樹木です。白い小さな花も楽しめます。
- ハナミズキ: 春に花を咲かせ、秋には美しい紅葉も楽しめる、彩り豊かなシンボルツリーとして人気です。
どちらを選ぶかは、「何を優先するか」によって変わります。目隠しなら常緑樹、四季の移ろいなら落葉樹、と目的を明確にしましょう。

シンボルツリーと調和する低木の組み合わせ方の基本
シンボルツリーをより魅力的に見せ、庭全体に深みを出すのが、その足元を固める低木の存在です。低木を選ぶ際の基本の考え方は、「シンボルツリーと役割を分け合う」ことです。
役割1:足元のカバーと一体感の創出
シンボルツリーの根元は、土がむき出しだと殺風景に見えてしまいます。
- フッキソウやタマリュウ、あるいはセダムなどの、地面を這うように広がるグランドカバーを低木として植えれば、足元がふっくらと見え、木の根元と地面が一体化します。
- 特に常緑の低木や下草を選ぶと、冬場でも緑が残り、一年中安定した美しい景観を保てるのが大きなメリットです。
役割2:コントラスト(対比)による立体感の演出
シンボルツリーの葉の形や色と、意図的に異なる低木を合わせることで、植栽全体に立体感が生まれます。
- 例えば、明るい緑色の葉を持つハイノキをシンボルツリーにした場合、足元には暗い緑色で葉の形が細長いヤブランや、青みがかった葉を持つニューサイランなどを植えます。これにより、互いが引き立ち、単調さを回避できます。
- 私がよく使うのは、落葉樹のアオダモの下に、マホニアコンヒューサを植える組み合わせです。冬になるとアオダモは葉を落としますが、マホニアコンヒューサの緑が残るため、寂しさを軽減してくれます。
配置計画がカギ!失敗しない植栽レイアウトのコツ
せっかく良いシンボルツリーや低木を選んでも、配置が悪ければ魅力は半減してしまいます。ここでは、プロが実践する失敗しないレイアウトのコツを3つご紹介します。
1. 玄関や窓からの「見え方」を意識する
シンボルツリーは、アプローチや玄関から見た時のウェルカムツリーとしての役割だけでなく、家の中から見た時の景色(借景:しゃっけい)も考慮して植えることが重要です。
- リビングの窓から真正面に見える位置に植えれば、まるで一枚の絵のような風景を日常的に楽しめます。
- その際、木が成長した後の枝が窓や外壁に触れないよう、適切な離隔距離を確保しましょう。剪定の手間や建物の傷みを防ぐことにもつながります。
2. 複数の高さで「奥行き」を出す
植栽は、「高木(シンボルツリー)」「中木(低木のやや大きいもの)」「低木・下草」の3段階の高さを意識して配置すると、自然で美しい奥行きが生まれます。
- 手前に低いもの、奥に高いものを配置するのが基本です。
- たとえば、奥に常緑のソヨゴ(高木)、その手前にマホニア コンフューサ(中木)、さらに手前に常緑のクリスマスローズ(下草)というように、高低差のグラデーションをつけると、庭全体に立体感とリズムが生まれます。
3. 将来的な「光」と「スペース」を考える
植える際は、隣地との境界線や電線から十分な距離を確保することが不可欠です。
- 樹木が大きくなると、日陰で隣地の植物が育たなくなる、あるいは落ち葉が隣地に舞い込むなどのトラブルに発展することもあります。
- 樹冠(じゅかん:木の傘)の広がりだけでなく、地下の根がフェンスや構造物に影響を及ぼす可能性も考慮して、外構の構造物から余裕を持ったスペースを確保しましょう。
【よくある質問】手入れや成長に関する疑問を解決!
Q1. シンボルツリーを鉢植えで育てるのは可能ですか?
A. 可能です。オリーブやハイノキなどは、鉢植えでも十分楽しめます。ただし、地植えに比べると根の張りが制限されるため、水やりや肥料やりといった手入れの頻度は増えます。また、鉢が小さすぎると根詰まり(根が鉢の中でいっぱいになること)を起こし、木が弱ってしまう原因となりますので、成長に合わせて鉢替えが必要です。鉢植えは移動ができるので、日当たりの調整や冬場の管理がしやすいというメリットもあります。
Q2. 落ち葉の掃除が大変そうで心配です。何か良い対策はありますか?
A. 対策は2つあります。 1つ目は、常緑樹の中でも葉の小さい樹木(ハイノキなど)を選ぶことです。葉が細かいため、掃除が比較的楽になります。2つ目は、庭の地面をウッドチップや砂利などで覆う(マルチング)ことです。落ち葉が土に張り付かず、ほうきで掃き集めやすくなる効果があるほか、地温の変化を和らげ、乾燥を防ぐというメリットもあります。
Q3. 植えた樹が予想以上に大きくなってしまいました。どうしたらいいですか?
A. 樹木専門の業者に依頼して、強剪定(きょうせんてい)を行うのが確実です。強剪定とは、枝を深く切り込む剪定のことで、サイズを大幅に小さくできます。ただし、樹形が大きく崩れるリスクや、木の生命力に負担がかかるという側面もあります。もし、「もうこれ以上大きくしたくない」という場合は、プロに相談して根を制限する処置や、より小さな樹種への植え替えを検討することも必要です。自己判断で深く切りすぎると、木が枯れる原因にもなりかねませんので、必ず専門家にご相談ください。
🌟まとめ:理想の庭はシンボルツリーと低木の計画から始まります
この記事では、新築・リフォームを控えた皆様へ、シンボルツリーと低木が外構に与える役割と、失敗しないための選び方、組み合わせ方の基本をお伝えしました。
常緑樹か落葉樹か、どの低木を合わせるか、そしてどこに配置するか。
これらのステップを踏むことで、「なんとなく植える」のではなく、「将来を見据えた」理想の庭づくりが可能になります。
「おしゃれな庭にしたいけど、具体的にどの樹種を選んだらいいか分からない」「自宅の環境に合うか不安」といった疑問は、ぜひエクステリアの専門家にご相談ください。私たち株式会社プラッツのエクステリアプランナーが、お客様の住まいとライフスタイルに最適な植栽計画を、プロの視点からご提案いたします。
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