ウッドデッキ塗装成功のカギ!カビ取り・サンディングなど下準備を徹底解説
はじめまして。株式会社プラッツ エクステリアプランナーの藤田です。
ウッドデッキの塗装をDIYで頑張ろうとしている皆さん、「塗る作業」だけに集中していませんか?
実は、塗装作業そのものよりも、その前の「下準備」こそが、ウッドデッキの仕上がりと寿命を左右する、最も重要な工程なんです。
この下準備を怠ると、せっかく塗ってもすぐに塗料が剥がれたり、カビが再発したりして、結局無駄な労力になってしまいます。
この記事では、「塗装の下準備って、どこまでやればいいの?」というDIY初心者の方の疑問を解消するため、カビ取り、サンディング、養生といった各ステップの具体的な手順と、プロが実践するコツを徹底的に解説します。
適切な下準備で、あなたのウッドデッキ塗装を成功させましょう!
作業の進め方に不安なことがあれば、エクステリア専門会社 プラッツにご相談ください。
目次
1. 塗装の仕上がりを決める!ウッドデッキ「下準備」の重要性
ウッドデッキ塗装の成功は、「塗料の密着性」にかかっています。
塗料の密着性(みっちゃくせい)とは、塗料が木材表面にどれだけしっかりとくっつくか、という度合いのことです。この密着性が低いと、どんなに良い塗料を使ってもすぐに剥がれてしまいます。
そして、この密着性を最大限に高めるために必要なのが、塗装前の徹底的な「下準備」なんです。
下準備が不十分だと、主に次のような失敗の原因になります。
<下準備不足で起こる失敗例>
1. 塗料の剥がれやふくれ
表面に汚れや古い塗膜が残っていると、塗料が直接木材に触れず、すぐにペラペラと剥がれてきてしまいます。特に木材に水分が残っていると、乾燥時に蒸発して塗膜を押し上げ、ふくれの原因になります。
2. カビ・コケの再発
カビの菌が木材の内部に残ったまま上から塗装してしまうと、塗膜の下で再び繁殖し、早期に黒ずみが発生します。これでは、せっかくの塗装が台無しです。
3. ムラのある仕上がり
表面がケバ立っていたり、汚れが残っていたりすると、塗料が均一に染み込まず、見た目にムラができてしまいます。プロのような美しい仕上がりを目指すなら、表面を整える作業は不可欠です。
私が過去に受けた相談でも、「自分で塗ったけど、1年経たずに剥がれてきた」というケースのほとんどは、清掃と乾燥不足が原因でした。
下準備は大変ですが、手を抜かずに行うことで、塗装の耐久性が2倍にも3倍にも伸びると心に留めておきましょう。
2. カビ・コケは絶対NG!ウッドデッキの正しい清掃とカビ取り方法
ウッドデッキを塗る前に、まずはカビとコケを完全に除去することが鉄則です。
カビの菌が木材に残っていると、どんなに良い塗料を塗っても、木材の内部から腐食を再開させてしまいます。
<清掃に必要な道具>
- ウッドデッキ専用洗剤またはカビ取り剤(塩素系・酸素系など)
- デッキブラシ(毛の硬いもの)
- バケツ、ホース
- ゴム手袋、保護メガネ
<清掃とカビ取りの具体的な手順>
1. 水で全体を湿らせる
ホースを使って、ウッドデッキ全体を水で濡らし、表面のホコリや泥などの大きな汚れを流し落とします。
2. 洗剤を塗布し、時間を置く
専用の洗剤(カビ取り剤)をムラなく塗布します。
カビの根を分解させるため、洗剤の種類に応じた放置時間(メーカー推奨時間)をしっかり守りましょう。
3. デッキブラシでこすり洗い
薬剤が浸透したら、デッキブラシで木目に沿ってゴシゴシと力を入れてこすり洗いします。
このとき、特にカビがひどい場所は念入りにこすってください。
4. 徹底的なすすぎ
洗剤成分が残っていると、後の塗装に悪影響を及ぼします。
ホースの水で、洗剤の泡が出なくなるまで、何度も何度も繰り返し洗い流してください。これが非常に重要です。
高圧洗浄機を使う場合は、木材を傷めないよう、ノズルの距離を離し、水圧を低めに設定して使いましょう。強く当てすぎると、木材の繊維が毛羽立ってしまう原因になります。
3. 塗料の密着性を高める!サンディング(研磨)の具体的なやり方と注意点
清掃が終わったら、次は「サンディング(研磨)」です。
サンディングとは、紙やすり(サンドペーパー)を使って、デッキ表面を薄く削り、古い劣化した塗膜や、ケバ立ち(木材の表面のトゲのようなささくれ)を取り除く作業です。
この作業により、木材の毛穴が開き、塗料が内部までしっかりと浸透(浸透性塗料の場合)し、密着性が格段に向上します。
<サンディングに必要な道具と手順>
- 紙やすり(サンドペーパー):#80~#120程度の番手が一般的。
- サンダー(電動工具):面積が広い場合は効率的です。
- ホウキまたは掃除機:削りカスを除去するため。
<具体的なやり方と注意点>
1. 番手選び
紙やすりの番手(#の数字)が小さいほど目が粗く、大きく削れます。
古い塗膜を剥がす場合は#80~#100、表面のケバ立ちを取る程度なら#120~#180を目安にしてください。
2. 木目に沿って削る
サンディングは、必ず木目に沿って行います。
木目に逆らって削ると、木材が深く傷つき、仕上がりが非常に悪くなります。
3. 削りすぎに注意
削りすぎると木材が薄くなり、耐久性が低下します。表面が滑らかになり、古い塗膜が除去できればOKです。
4. 粉を完全に除去
削り終わったら、ホウキや掃除機を使い、木材の表面に残った削りカス(粉塵)を完全に除去してください。
この粉が残っていると、塗料が粉っぽくなり、密着を妨げてしまいます。
サンディングを行うことで、塗料がしっかりと木材の内部まで入り込み、ウッドデッキの寿命を延ばす効果が最大限に発揮されます。

4. 隅々まで美しく!ウッドデッキ塗装前の養生テクニック
塗装作業をきれいに終えるためには、「養生(ようじょう)」が欠かせません。
養生とは、塗料が付着してはいけない場所を、テープやシートで保護する作業のことです。
これを怠ると、外壁やサッシ、隣接する構造物などに塗料が飛び散り、後片付けに何倍もの時間がかかってしまいます。
<養生に必要な道具>
- マスキングテープ: 細かい部分の保護に使います。
- マスカー: テープとビニールシートが一体になったもので、広い範囲の保護に便利です。
- 養生シート: 地面や広範囲を覆うのに使います。
<養生の手順とプロのコツ>
1. 境界線を明確にする
外壁の基礎部分や、サッシ、アルミの手すりなど、ウッドデッキと隣接するすべての境界線を、マスキングテープで丁寧に覆います。
テープを貼るときは、塗る面と塗らない面の境目に、まっすぐ、しっかりと密着させて貼りましょう。
2. 周囲の地面も保護する
塗料は、ハケやローラーから思わぬ方向に飛び散ることがあります。特に風の強い日は注意が必要です。
ウッドデッキの周囲の地面(タイルや土間コンクリートなど)にも、養生シートや新聞紙を広げて、塗料の飛散を防ぎます。
3. 植木鉢や家具を移動
デッキの上にある植木鉢、テーブル、椅子などは全て移動させます。移動できないものは、大きな養生シートでしっかりと覆いましょう。
この養生作業を丁寧に行うことが、仕上がりの美しさと、後片付けの手軽さに直結します。プロの仕上がりは、この地味な作業によって支えられているのです。
5. 塗装に適した環境づくり:天気と湿度のチェックポイント
下準備が完了しても、天候が悪いと塗装は失敗します。塗装に適した環境を選ぶことも、大切な「下準備」の一つです。
プロは、「晴れた日が続くタイミング」を選んで塗装を行います。
<必ず避けるべきNGな天候>
1. 雨の日とその前後
当然ですが、雨の日は塗装できません。また、塗装の直後に雨が降ると、塗料が流れ落ちたり、水滴跡が残ったりします。
最低でも、塗装後24時間は晴れが続く予報の日を選んでください。
2. 湿度の高い日
湿度が85%を超えるような日は、塗料の乾燥が極端に遅くなります。
乾燥が遅いと、ホコリが付着しやすくなったり、塗料が本来持つ耐久性が発揮されなかったりします。梅雨の時期などは避けましょう。
3. 気温が低すぎる日・高すぎる日
多くの塗料は、5℃以下では乾燥せず、性能が低下します。真冬の早朝や夜間の作業は避けましょう。
逆に、30℃を超える猛暑日は、塗料がすぐに乾きすぎてしまい(ハジキの原因)、ムラになりやすいです。
<最適な作業時間帯>
理想的なのは、気温10℃~25℃、湿度50%~70%の、午前10時頃から午後3時頃までです。
この時間帯であれば、塗料の乾燥もスムーズに進み、夕方の湿度が上がる前に作業を終えられます。環境づくりも塗装成功のための重要なステップです。
6. よくある質問: 下準備に手間をかける理由や、適切な洗剤の種類は?
ここでは、ウッドデッキ塗装の下準備に関する、よくある疑問にお答えします。
Q1. カビ取りは、家庭用の漂白剤(ハイターなど)を使っても大丈夫ですか?
A. 一時的には使えますが、ウッドデッキ専用の洗剤をおすすめします。
家庭用漂白剤はカビを白くする効果はありますが、木材を漂白しすぎて色ムラになるリスクがあります。
ウッドデッキ専用の洗剤は、木材の成分を傷めずにカビの根まで分解し、防カビ成分が配合されているものが多いです。専用品を使うことで、仕上がりと安全性が向上します。
Q2. 古い塗料が残っている場合、すべて剥がす必要がありますか?
A. 剥がれかかっている部分だけは必ず剥がしてください。
古い塗膜がしっかり残っている部分は、軽くサンディングするだけで大丈夫です。
しかし、塗膜が浮いていたり、剥がれかかっていたりする箇所は、そのまま上塗りすると新しい塗料と一緒に剥がれてしまいます。サンダーやスクレイパー(ヘラ)を使い、完全に除去することが重要です。
Q3. サンディングをした後の削りカスは、水で流しても大丈夫ですか?
A. 水で流すのではなく、掃除機やホウキで除去してください。
水で流すと、削りカスが木材の隙間や排水溝に詰まる原因になります。また、木材が再び水分を吸収してしまい、乾燥に時間がかかります。
清掃の最後は、必ず乾いた状態で、掃除機やホウキを使って細かな粉塵を完全に吸い取るようにしましょう。
まとめ
ウッドデッキの塗装成功は、塗料の良し悪しよりも、「下準備」の丁寧さに左右されます。
特に、カビ・コケの完全な除去と、サンディングによる表面の調整、そして徹底的な乾燥の3ステップは、絶対に手を抜かないでください。
手間をかけた分だけ、塗料の密着性が高まり、ウッドデッキが長持ちするようになります。
もし、
- 「カビがひどすぎて自力では手に負えない」
- 「古い塗膜を剥がす作業が大変だ」
- 「DIYで作業する時間がない」
という場合は、無理せず専門家にご相談ください。
株式会社プラッツでは、ウッドデッキの補修・塗装における面倒な下地処理から、最適な塗料選びまで、プロの技術で徹底的にサポートいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
プラッツの施工事例は こちら




