【DIY】レイズドベッドの作り方完全ガイド!腰に優しく作業効率が上がる花壇
株式会社プラッツ エクステリアプランナーの藤田です。「ガーデニングは好きだけど、しゃがんでの作業が腰にくる…」そんなお悩みを抱えていませんか?
その悩みを解決し、ガーデニングの楽しさを格段に上げるのが、今回ご紹介する「レイズドベッド」です。
レイズドベッドとは、地面よりも高く立ち上げた高床式花壇のことで、作業効率とデザイン性を両立できる優秀な花壇リフォームのアイデアです。
この記事では、DIYでレイズドベッドを作るための、具体的な設計のコツから、安全性を確保する作り方までを徹底解説します。設計や強度に不安がある方もご安心ください。不安なことがあれば、エクステリア専門会社 プラッツにご相談ください。
目次
1. レイズドベッドの最大のメリットは?「腰に優しい」以外の作業効率アップ効果
レイズドベッドが腰に優しいというのは、最もよく知られたメリットです。立ったまま、または椅子に座ったまま作業できるため、しゃがみ込む回数が大幅に減り、ガーデニング後の体の負担が軽減されます。
しかし、レイズドベッドの魅力はそれだけではありません。プロとして注目するのは、その作業効率アップ効果です。
- 雑草管理のしやすさ:地面と隔絶されているため、雑草の侵入を防ぎやすくなります。
- 水はけの良さ:高く立ち上がっている分、土の底に水が溜まりにくく、排水性に優れます。
- 土の管理が容易:特定の植物に合わせた土を入れやすいため、植物が元気に育ちます。
- スペースの区切り:庭に立体感が生まれ、作業エリアと鑑賞エリアが明確に分けられます。
特に、前の記事で解説した「水はけの改善」は、レイズドベッドにすることで非常に簡単かつ効果的に実現できます。このように、レイズドベッドは単なるデザイン要素ではなく、ガーデニングの質を高めるための構造的なリフォームなのです。
2. 設計の基本:高さ、幅、形はどう決める?庭の広さを最大限に活かすコツ
レイズドベッドをDIYする際、最も重要なのが設計です。特に「高さ」と「幅」が、使い勝手を左右します。
【高さの目安】
- 作業優先(椅子に座る場合):地面から40cm~50cm
- 腰の負担軽減(立ったまま作業):60cm~80cm(日本人の平均身長による)
- 基本的な生育用:30cm(根の張るスペースとして最低限必要)
【幅の目安】
これは、手入れのしやすさに直結します。片側からしか手が届かない場合は、幅を60cm以内にするのがコツです。両側から手入れできる場合は、120cm程度まで広げても問題ありませんが、真ん中まで手が届くか常に確認してください。
【形の決め方】
庭の広さに余裕があれば、曲線やL字型を取り入れると、庭全体に動きと奥行きが生まれます。ただし、DIYで曲線を作るのは難易度が高いため、初心者は長方形や正方形から始めるのがおすすめです。この設計段階で、具体的な寸法を決めておけば、資材の計算もスムーズになります。
3. 【DIYで必要な資材】レンガ、木材(枕木)など、耐久性を高める材料の選び方
レイズドベッドの資材は、見た目の好みだけでなく、耐久性と安全性を最優先で選ぶ必要があります。
レイズドベッドは大量の土の重さと、湿気や乾燥による負荷が常にかかるため、資材選びは失敗できません。
【人気の資材と選び方のコツ】
- レンガ・ブロック:最も耐久性が高く、モダンからアンティークまでデザインが豊富です。ただし、DIYで積む場合は、後述のモルタルによる固定が必須で、難易度はやや上がります。
- 木材(枕木・板材):自然な風合いで人気ですが、通常の木材は数年で腐食します。必ず「防腐処理済み」の専用木材を選んでください。特に、土に接する部分は防腐剤を重ね塗りするなどの対策が必要です。
- 自然石・玉石:非常に丈夫ですが、平らに積むのが難しいため、初心者には向きません。
費用を抑えたい場合は、コンクリートブロックをベースに、表面だけレンガ調のブロックを使うなど、資材を組み合わせる工夫もできます。重要なのは、土圧(土が外側へ押す力)に負けない強度を持つことです。

4. 安全なレイズドベッドの壁の積み方:モルタルを使った「強度」を確保する手順
レイズドベッドをDIYする上で、最もプロの技術が必要とされるのが、壁の強度確保です。特にレンガやブロックで作る場合、ただ積み重ねただけでは、中の土の重みで必ず崩れてしまいます。
【モルタルを使った安全な作り方】
壁を積む際は、必ずモルタル(セメントに砂と水を混ぜた接着材)を使って固定してください。モルタルは、ブロックとブロックの接合部に塗り、一つ一つをしっかり密着させることで、一体化した強固な壁を作ります。
手順のコツは、以下の通りです。
- 基礎として地面を平らに均し、一段目を積む場所にモルタルを敷く。
- 一段目のブロック(またはレンガ)を積んだら、水準器で水平を確認する。
- 二段目以降は、一段目の継ぎ目とずらして積む(レンガ積みと同じ要領)ことで、さらに強度が増します。
高さが50cmを超える場合は、壁の内側に鉄筋(鉄の棒)を縦に入れるなどの補強が必要になります。これは土圧による崩壊を防ぐためです。DIYに自信がない、または背の高いレイズドベッドを作る場合は、安全のためにもプロに依頼するのが賢明な判断です。
5. 失敗しない!レイズドベッドの土の入れ方と水はけを考慮した内部構造
レイズドベッドの壁が完成したら、いよいよ土を入れます。ここで内部構造を工夫することで、最高の水はけとコスト削減を両立できます。
【内部構造のレイヤー(層)】
- 排水層(一番下):底面に砕石(さいせき)を5~10cm程度敷き詰めます。これは、水が抜けるための通り道となる「透水層」の役割を果たし、水はけを確保します。
- 防草・フィルター層:砕石の上に「透水シート」を敷きます。これは、上から入れる土が砕石の隙間に入り込み、目詰まりを起こすのを防ぐコツです。
- 中詰め層(コスト削減):大量の土が必要なため、この層には、庭から出た古い土や、リサイクルした土に腐葉土を混ぜたものを入れて、かさ増しをします。
- 育成層(一番上):最後に、植物の根が直接触れる最上部20~30cmには、質の良い培養土を入れます。
壁の内側には、土が資材を直接傷めるのを防ぐため、「防根シート」を貼るのもおすすめです。この層構造を意識することで、レイズドベッドは、通常の花壇よりも高い水はけ性能を発揮できます。
6. 【よくある質問】レイズドベッドの設置とメンテナンスに関するQ&A
Q1. レイズドベッドの底は、地面とコンクリート、どちらが良いですか?
A. 根の生育と水はけを考えると、底は地面のままにするのが理想です。地面にすることで、植物の根がより深く張れる可能性があり、余分な水も自然に地中へ吸収されます。コンクリートにしてしまうと、完全に鉢植えと同じ状態になり、排水のための穴(水抜き穴)を設ける必要があります。
Q2. 枕木でレイズドベッドを作りたいのですが、防腐剤の安全性は大丈夫ですか?
A. 庭用として流通している新しい枕木は、安全な防腐剤(ACQなど)が使われているものがほとんどで、通常のガーデニングには問題ありません。ただし、家庭菜園など口に入るものを育てる場合は、無垢材に自然塗料(オイルステインなど)で自ら防腐処理を施す方がより安心です。資材購入時に用途を伝えて確認しましょう。
Q3. 時間が経つと、レイズドベッドの土が減ってくるのはなぜですか?
A. 土の量が減るのは、主に微生物による有機物の分解と、水やりによる沈下(ちんか)が原因です。これは自然な現象です。対策としては、毎年春か秋に腐葉土や堆肥といった有機物を表面に追加し、土を補充してあげることで、栄養と高さを維持できます。
まとめ
レイズドベッドは、腰に優しいという利点だけでなく、水はけや作業効率といったガーデニングの根本的な問題を解決する、優れた花壇リフォームの方法です。
DIYで作る際は、設計段階で「高さ」と「幅」を慎重に決め、モルタルや適切な資材で強度を確保することが、失敗しないためのコツとなります。
背の高いものや、複雑な形状のレイズドベッドは、土圧への対策など、専門的な技術が必要になります。安全で耐久性の高い花壇をご希望でしたら、ぜひ私たちエクステリアプランナーにご相談ください。
株式会社プラッツが、あなたのガーデニングライフがより充実したものになるよう、全力でサポートいたします。
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