台風で飛ばされる意外なモノ10選とプロ直伝の固定術
株式会社プラッツ エクステリアプランナーの藤田です。
前回の記事では、戸建て初心者の方がまずやるべき台風対策の基本についてお話ししました。多くの方が「飛ばされそうなものは片付けなくちゃ」という意識を持ってくださったかと思います。
しかし、「“飛ばされそうなもの”って、具体的にどこまでやればいいの?」と、さらに詳しい対策について疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、皆さんが「え、これも!?」と驚くような、意外と見落としがちな飛散物リストと、いざという時に役立つプロ直伝の具体的な固定術を徹底解説します。この記事を読めば、より万全な状態で安心して台風に備えることができますよ。
具体的な対策で不安なことがあれば、いつでも私たちエクステリア専門会社 プラッツにご相談ください。
目次
1. はじめに:あなたの家の周り、本当に「飛ぶもの」はありませんか?
台風対策の基本は「飛散物の撤去・固定」です。これは、ご自宅を守るためだけでなく、万が一お隣の家や通行人に被害を与えてしまう「加害者」にならないためにも、絶対に欠かせない対策です。
多くの方は、植木鉢や物干し竿といった分かりやすいものをイメージされるかと思います。しかし、私たちがプロの目で現場を拝見すると、ご家庭の皆さんが気づいていない危険なものが、まだまだたくさんあるのが実情です。
「これくらい軽いから大丈夫」「いつもここに置いているから平気」といった油断が、思わぬ事故につながることがあります。次の章で、具体的なリストを一緒に確認していきましょう。きっと、「あ、うちにもある!」というものが一つは見つかるはずです。
2. 【危険度チェック】意外と油断しがちな飛散物リスト10
私がご相談を受ける中で、特に見落とされがちな「隠れ飛散物」を10個ピックアップしました。危険度を3段階で示していますので、ぜひご自宅の周りをチェックしてみてください。
- 屋外の玄関マット(危険度:★☆☆)
軽くて薄いため、真っ先に風の餌食になります。飛ばされて窓に張り付くだけでも厄介です。 - サンダル・クロックス(危険度:★☆☆)
「重さがあるから大丈夫」は間違い。風で転がり、どこかへ行ってしまうケースが多発します。 - 植木鉢・プランター(危険度:★★☆)
空の植木鉢は非常に飛ばされやすいです。プラスチック製は特に注意。植物の背が高く、鉢が小さいものも倒れやすいです。 - ほうき・ちりとり(危険度:★★☆)
壁に立てかけてあるだけでは、簡単に倒れて飛ばされてしまいます。 - お子さんの遊具(ボール、砂場セットなど)(危険度:★★☆)
軽くて形も様々なため、予測不能な動きで飛んでいきます。 - 屋外用のゴミ箱(危険度:★★☆)
風を内側からはらんでしまい、凧のように舞い上がることがあります。 - すだれ・サンシェード(危険度:★★★)
風を受ける面積が大きいため、固定が甘いと取り付け部分ごと破壊されて飛んでいく可能性があります。 - プロパンガスのボンベ(危険度:★★★)
鎖で固定されているか必ず確認してください。万が一転倒すると大事故につながります。 - エアコンの室外機(危険度:★★★)
特にベランダや屋上にただ置かれているだけの室外機は、強風で動いたり転倒したりする危険があります。 - 太陽光パネル・給湯器(危険度:★★★)
設置から年数が経っている場合、固定金具が緩んでいる可能性があります。飛散すれば甚大な被害が出ます。
3. プロが実践する!ロープを使った「絶対飛ばされない」固定方法
家の中に入れられないものを固定する際に役立つのがロープです。ただ縛るだけでなく、ちょっとしたコツで格段に強度が増します。
基本の考え方
- 「動かないもの」と結ぶ:家の柱や、フェンスの頑丈な支柱、雨どいの支持金具など、絶対に動かない場所に結びつけるのが基本です。
- ロープはピンと張る:たるみがあると、風で揺すられているうちに緩んできてしまいます。しっかりとテンションをかけて張りましょう。
おすすめの結び方:「もやい結び」
「もやい結び」は、シンプルながら非常に強度が高く、ほどけにくいのが特徴です。「結び目の王様(King of knots)」とも呼ばれ、私たちプロの現場でも多用します。一度覚えてしまえば一生使える便利な結び方なので、ぜひ動画サイトなどで「もやい結び」と検索して、練習してみてください。

4. 物干し竿・自転車・ゴミ箱…モノ別の最適・最速な対策術
特にご注意いただきたい3つのアイテムについて、最適な対策方法をご紹介します。
物干し竿
一番良いのは、竿を下ろして室内に入れてしまうことです。それが難しい場合は、数本まとめて地面に下ろし、ロープで近くの柱などに固く結びつけておきましょう。物干し台ごと倒れることもあるので、竿は必ず下ろしてください。
自転車
スタンドで立てておくだけでは必ず倒れます。最初から横に倒しておくのが最も安全です。可能であれば、物置や玄関の中に入れるのがベスト。外に置く場合は、カバーをかけていると風をはらんで余計に危険なので、カバーは外すか、ロープで自転車ごと柱などに縛り付けましょう。
ゴミ箱
中身は空にして、家の中や物置にしまいます。どうしても外に置く場合は、中に水を入れたゴミ袋を数個入れて重しにする、フタをガムテープなどで固定する、そしてゴミ箱自体をロープで柱などに固定する、という三重の対策をすると安心です。
5. 100均グッズも活用!賢く手軽にできる飛散防止アイデア
台風対策は、お金をかけなくても工夫次第で万全にできます。100円ショップで手に入るグッズも大いに役立ちます。
- 自転車用のゴムロープ(バンジーコード):フックが付いているので、物置の扉が開かないように固定したり、小物をまとめてフェンスに括り付けたりと、応用範囲が広いです。
- ゴミ収集用のネット:軽いプランターなどをいくつかまとめて、上からネットを被せて重しを置けば、個別に固定する手間が省けます。
- 大きめの洗濯ネット:小さなガーデニング用品や子供の砂場セットなどをまとめてネットに入れ、そのまま家の中に持ち込むとバラバラにならず便利です。
【よくある質問】
Q1. 台風の時、カーポートの屋根が飛ばないか心配です。自分でできる対策はありますか?
A. ご自身で屋根に上るなどの作業は大変危険ですので絶対におやめください。ご自身でできる対策としては、柱の根本がグラついていないか、屋根パネルを固定しているネジに緩みがないかを目視で確認する程度に留めましょう。少しでも異常を感じたら、台風が来る前に専門家にご相談いただくのが最も安全な対策です。
Q2. ロープで固定する際の結び方で、おすすめの簡単な方法はありますか?
A. 本文でご紹介した「もやい結び」が理想ですが、難しければ「固結び」を2回繰り返すだけでも強度は増します。重要なのは、結び方そのものよりも、「たるみなくピンと張ること」と「絶対に動かないものに結びつけること」の2点です。
Q3. アパートやマンションのベランダでも、同じ対策が必要ですか?
A. はい、もちろんです。むしろ高層階になるほど風は強くなりますし、ベランダは構造的に風が吹き抜けやすく、物が飛ばされやすい環境です。また、万が一物を落下させてしまった場合、階下の方や通行人に重大な被害を及ぼす可能性があります。戸建て以上に、飛散物対策を徹底する必要があります。
6. まとめ:危険を具体的に知ることが、最適な対策の第一歩
今回は、台風で飛ばされやすい意外なモノと、プロが実践する具体的な固定術について詳しく解説しました。
漠然と「片付けなきゃ」と思うだけでなく、「何が、どのように危険なのか」を具体的に知ることで、対策の精度は格段に上がります。今回ご紹介したリストを参考に、ご家族で家の周りをもう一度点検してみてください。
そして、固定方法などで少しでも分からないこと、あるいはカーポートやフェンスなど、ご自身ではどうにもできない設備のことで不安を感じたら、決して無理をせず、私たち専門家にご相談ください。
私たち株式会社プラッツは、皆さんの安全で安心な暮らしを守るお手伝いをしています。点検だけでも喜んでお伺いしますので、お気軽にお声がけください。
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