シンボルツリーとロックガーデンでおしゃれ外構にするコツ
はじめまして。株式会社プラッツ エクステリアプランナーの藤田です。長年、数多くのお客様の「理想の暮らし」を外構デザインの側面からサポートしてきました。
新築やリフォームの際、「おしゃれで個性的な外構にしたい。でも、手入れは楽にしたい」というご要望は非常に多く、その最高の答えの一つが「シンボルツリーとロックガーデンの組み合わせ」です。
この二つを組み合わせることで、なぜデザイン性とローメンテナンス性が両立できるのか、そして後悔しないための具体的なコツを、プロの目線で徹底解説します。不安なことがあれば、エクステリア専門会社 プラッツにご相談ください。
目次
1. 【プロ解説】シンボルツリーとロックガーデンで理想の外構を実現!
新築やリフォームを機に、
「人とは違う、おしゃれで個性的な外構にしたいな」
「できれば手入れに時間をかけたくないけど、殺風景なのは嫌!」
そうお考えではありませんか?
多くのお客様が持つ、この二つの理想を叶えるのが、「シンボルツリー」と「ロックガーデン」の組み合わせです。
憧れの空間を作る「シンボルツリー」と「ロックガーデン」とは?
シンボルツリーとは、文字通り建物の顔となる、家の象徴的な存在の木を指します。通りからの目隠しや、季節の移ろいを感じさせてくれる、外構の主役となる存在です。
一方、ロックガーデンは、ゴツゴツとした石(岩)を配置し、乾燥に強い植物と組み合わせることで、自然の荒々しい風景を再現する庭のスタイルのことです。
この二つを組み合わせることで、なぜ理想の外構が実現できるのでしょうか?
それは、「デザイン性」と「ローメンテナンス性」を同時に両立できるからです。
ロックガーデンは、石で地面の大部分を覆うため、雑草が生えるスペースが大幅に減るという、手入れの手間を減らす大きなメリットがあります。さらに、石の質感とシンボルツリーの生命力が合わさることで、他にはない、個性的でおしゃれな外構デザインが生まれます。
私がエクステリアプランナーとして多くのご相談を受ける中で、このシンボルツリーとロックガーデンの組み合わせは、特に「おしゃれで手がかからない庭」を求めるお客様から、最も高い評価を得ています。
この組み合わせで失敗しないためには、計画の初期段階でプロの視点を取り入れることが非常に重要です。次の章からは、あなたの外構計画を成功に導くための、具体的な「コツ」と「注意点」を詳しく解説していきます。
2. 失敗しない!シンボルツリーの「種類」と「配置」の決め方
「シンボルツリーを選ぶとき、何を基準にすればいいの?」
多くの方が最初に悩むポイントです。シンボルツリー選びで後悔しないためには、「成長後のサイズ」「葉の特性」「家の雰囲気」の3点を重視しましょう。
1. 成長後のサイズを想定する
まず、植え付ける場所に対して、木が将来どれくらいの大きさまで育つかを必ず確認してください。
例えば、シマトネリコのような常緑樹は目隠し効果が高いですが、成長が早いため、枝が隣家や道路に飛び出す可能性も考慮し、定期的な剪定(せんてい)という枝を切って形を整える手入れが前提となります。一方で、ソヨゴのように成長が比較的緩やかな種類を選ぶと、手入れの頻度を減らすことができます。
小さな苗木の段階だけでなく、10年後、20年後の樹形をイメージすることが重要です。この予測こそが、プロのプランナーの腕の見せ所とも言えます。
2. 葉の特性で手入れの楽さが変わる
シンボルツリーには、主に「落葉樹」と「常緑樹」があります。
落葉樹(冬に葉が落ちる): 季節感があり美しいですが、秋から冬にかけての落ち葉掃除が手間になります。特にロックガーデンの隙間に落ち葉が挟まると掃除が大変です。
常緑樹(一年中葉がついている): 落ち葉掃除の手間は少ないですが、樹形を保つための剪定が年に数回必須です。
ロックガーデンと組み合わせるなら、オリーブやアオダモといった、樹形が整いやすく、手入れの頻度が少なくて済む樹種がおすすめです。
3. 家の雰囲気に合わせた配置
シンボルツリーは、外構の中でも最も目を引く要素です。玄関先や門柱の横など、建物の顔となる場所に配置します。
ここで大切なのは、家全体との調和です。モダンな外観なら、シャープでスマートな樹形、ナチュラルな外観なら優しい葉を持つ樹種といったように、建物とロックガーデンの雰囲気に合った木を選ぶことで、一体感のあるおしゃれな外構が完成します。配置の際には、日当たりや風通しなどの生育環境も同時に考慮することが、樹木を元気に育てる秘訣です。
3. ロックガーデンを構成する「石」の選び方と効果的なレイアウト
シンボルツリーの魅力を最大限に引き出し、ローメンテナンス性を高めるのがロックガーデンです。
「どんな石を使えば、おしゃれでダイナミックに見えるの?」
ロックガーデンは、ただ石を並べるのではなく、「石の種類」「立体感の出し方」「植栽とのバランス」の3つのポイントが、プロの仕上がりを決める鍵となります。
1. ロックガーデンに使う「石」の種類
ロックガーデンの雰囲気は、使用する石の種類で決まります。
- ゴロタ石: 角が丸く、川石のような自然な形状。温かく、柔らかい印象を作りたい場合に適しています。
- 割栗石(わりぐりいし): 採掘された石を割ったもの。角張っていてゴツゴツした、モダンでワイルドな雰囲気を出すのに最適です。グレーや黒の割栗石は、特にモノトーンの建物との相性が抜群です。
- 溶岩石: 独特の多孔質(小さな穴がたくさんある)で、軽量ながら存在感があります。エキゾチックで個性的な雰囲気を出せ、和モダンな外構にも応用できます。
どの石を選ぶかで、外構全体の印象が大きく変わるため、建物のテイストに合わせて選びましょう。
2. 立体感を出すための高低差
平坦に石を敷き詰めるだけでは、単調な印象になりがちで、ロックガーデンの魅力が半減してしまいます。
ポイントは、複数の大きな石(親石)を配置し、その周りにサイズの異なる小さな石をランダムに配置して、高低差と奥行きをつけることです。
この高低差が、光と影を生み出し、ロックガーデンにダイナミックな表情を与えます。まるで自然の山肌を切り取ってきたかのような、プロらしい立体的な仕上がりになります。
3. 植栽は「引き立て役」として控えめに
ロックガーデンでは、石が主役です。植物を多く植えすぎると、石の魅力が半減し、雑然とした印象になります。
シンボルツリーの足元には、セダム、アガベ、リュウゼツランなど、乾燥に強く、背の低い植物を選びましょう。これらの植物を、石の隙間や陰に「控えめに」配置することで、石の存在感が引き立ち、より自然で洗練された空間を演出できます。

4. ロックガーデンとシンボルツリーを組み合わせるメリット・デメリット
この組み合わせが新築外構で選ばれ続けるのには、理由があります。しかし、計画前に知っておくべき注意点も存在します。
組み合わせの3つの大きなメリット
- 1. 圧倒的なローメンテナンス性: ロックガーデンは石で地面の露出を大幅に減らすため、雑草の発生を最小限に抑えます。 土の面積が少なくなることで水やりなどの手間も軽減され、忙しい方や手入れが苦手な方にとって、最も手がかからない庭づくりと言えます。
- 2. 独自のデザイン性と存在感: 石の持つ無機質な質感と、シンボルツリーの有機的な生命力が合わさることで、他にはない個性的な外構デザインが実現します。特にモダンな建物や、リゾート風、和モダンの外構に圧倒的な存在感を与え、外構のグレード感を高めます。
- 3. 排水性の向上: ロックガーデンは、水はけの良い石をメインに構成されるため、地中の排水性が向上します。これは、シンボルツリーの根が水に浸かりすぎて腐ってしまう根腐れ(ねぐされ)を防ぐという、樹木の健康維持に非常に重要な役割を果たします。
知っておくべきデメリットと対策
- 1. 夏場の「照り返し」と「温度上昇」: 石は熱を吸収しやすい素材です。そのため、夏場の日差しが強い時期には、石の表面温度が非常に高くなります。 この熱が周囲に放出される照り返しは、樹木や植栽が乾燥しやすくなる原因となります。対策: 乾燥に強い植物を選定することに加え、シンボルツリーの足元にはバークチップや玉砂利などを敷いて、石からの直接的な熱を和らげるマルチングを併用すると効果的です。
- 2. 一度作ると「変更しにくい」: ロックガーデンは、大きな石を据え付けて造形するため、完成後にレイアウトを大幅に変更するのが非常に困難です。そのため、計画段階で、将来的な樹木の成長や、生活動線をしっかり考慮した緻密な設計が不可欠となります。プロのプランナーと綿密に打ち合わせをすることが、後悔しないための最善策です。
5. 【予算別】ロックガーデン外構の費用相場と後悔しないための注意点
ロックガーデン外構の費用は、使用する石の種類と量、シンボルツリーの大きさ、そして施工面積によって大きく変動します。
ロックガーデン設置の費用相場(目安)
| 項目 | 費用相場(材工共:目安) |
|---|---|
| シンボルツリー植栽(高さ2m前後) | 3万〜8万円/本 |
| ロックガーデン(面積1m²あたり) | 8千円〜2万円/m² |
| 全体(一区画・小規模) | 15万〜50万円 |
※上記の費用には、石材費、植栽費、土の入れ替え(客土:きゃくどといいます)などの工事費を含んだ目安であり、地域や業者、特に運搬費によって大きく変動します。
後悔しないための3つの注意点
- 1. 石の「単価」だけでなく「運搬費・施工費」に注目する: 石材自体の単価が安くても、大きな石は運搬や施工に人手と時間がかかり、結果的に総工費が高くなります。特に、大きな割栗石は、クレーン付きのトラックで運び込む必要があり、運搬費が跳ね上がる場合があります。見積もり時には、石材費だけでなく、運搬費や施工手間賃をしっかりと確認しましょう。
- 2. 「見切り材」は必ず設置する: ロックガーデンと他の部分(芝生、アプローチ、駐車場など)の境目に、見切り材(プラスチックや金属の仕切り)を設置しないと、雨などで石や土が流出し、景観を損なったり、雑草の侵入経路を作ってしまいます。この「見切り」の有無が、数年後の外構の美しさを大きく左右する重要なポイントです。
- 3. ロックガーデンに合った客土(土壌改良)をする: シンボルツリーや植栽を元気に育てるためには、土壌の質が最も大切です。既存の土が水はけの悪い粘土質の場合、ロックガーデンに適した水はけのよい土(客土)に入れ替えることがプロの基本技術です。この土壌改良を怠ると、せっかく植えたシンボルツリーが根腐れを起こすリスクが高まります。
6. よくある質問:シンボルツリー&ロックガーデンに関するQ&A
よくある質問(FAQ)
Q1. シンボルツリーを植えた後、水やりはどれくらいの頻度で必要ですか?
A. 植え付けた直後、特に1年目は、樹木の根がしっかりと土に張るまで水やりが必要です。
特に真夏は、土が完全に乾いたらたっぷりと与えてください。水やりの目安は、土の表面が白っぽく乾燥した状態になったら、ジョウロやホースで10リットル以上を目安に、根元にゆっくりと時間をかけて与えます。ロックガーデンは水はけが良いため、「乾燥しすぎ」には特に注意が必要です。2年目以降は、特別な乾燥が続かない限り、自然の雨で基本的に十分です。
Q2. 落ち葉の掃除は、ロックガーデンだと大変ですか?
A. はい、普通の地面に比べて、石の間に落ち葉が挟まるため、ほうきなどでは掃除が少し手間になることがあります。
しかし、効率的な対策があります。
- 対策1: **ブロワー(送風機)**を使うと、隙間に挟まった落ち葉も強力な風圧で簡単に吹き飛ばせます。これはプロの現場でもよく使われる方法です。
- 対策2: そもそも落ち葉の手間を減らすために、**落葉が少ない常緑樹をシンボルツリーに選ぶ**ことが、根本的な解決策となります。
Q3. ロックガーデンに合う、手入れが特に簡単な植物を教えてください。
A. ロックガーデンには、岩場で育つように進化した、乾燥に強く、肥料もほとんど必要としない多肉植物やグラス類が最適です。
具体的には、鋭い葉を持つアガベ(肉厚な葉が特徴)、ロッキーな雰囲気に合うユッカ、地面を覆うように広がるセダムなどがおすすめです。これらの植物は、水やりや病害虫の手間が非常に少なく、ロックガーデンの雰囲気を損なうことなく、緑の彩りを加えてくれます。
理想の外構は、プロの知識で実現できます。
シンボルツリーとロックガーデンの組み合わせは、「デザイン性」「個性」「ローメンテナンス」のすべてを兼ね備えた、現代の理想的な外構スタイルです。
しかし、樹種の選定、石の配置、そして将来の成長を見越した計画には、専門的な知識と経験が不可欠です。特に、一度作ると変更が難しいロックガーデンだからこそ、計画段階でプロの視点を取り入れることで、「こんなはずじゃなかった」という失敗を防ぐことができます。
「うちの敷地だと、どんなシンボルツリーが合うだろう?」
「予算内で、最大限おしゃれに見せるにはどうすればいいだろう?」
もしあなたが、個性豊かで手入れの楽な外構づくりをお考えなら、ぜひ一度、私たちエクステリアの専門業者にご相談ください。お客様の理想を形にするためのお手伝いをさせていただきます。
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