【常緑樹の剪定】時期とやり方を解説!シマトネリコやオリーブなど
はじめまして、株式会社プラッツでエクステリアプランナーをしております藤田と申します。
「人気のシマトネリコを植えたけど、伸び放題でどうしたらいいか分からない…」
「生垣をきれいに保ちたいけど、いつ刈り込めばいいの?」
一年中、庭に緑の彩りを与えてくれる常緑樹。シンボルツリーや生垣として非常に人気ですが、成長が旺盛な種類も多く、剪定をしないとあっという間に大きくなりすぎて手に負えなくなってしまうこともあります。
落葉樹と違って明確な休眠期がないため、「いったいいつ切ればいいの?」とタイミングに悩む方が非常に多いのが常緑樹の特徴です。
この記事では、そんな常緑樹の剪定について、最適な時期から、基本となる「透かし剪定」のやり方、シマトネリコやオリーブといった人気樹種ごとのコツまで、分かりやすく解説していきます。
正しい知識を身につければ、ご自宅の常緑樹を健康で美しい状態に保つことができます。剪定方法に不安があれば、私たちエクステリア専門会社 プラッツにご相談ください。いつでもあなたの庭づくりをサポートします。
目次
1. 常緑樹の剪定はいつ?真夏と真冬を避けるべき理由
一年中葉をつけている常緑樹には、落葉樹のような完全な休眠期がありません。そのため、剪定は「木へのダメージが最も少ない時期」を選ぶのが鉄則です。
常緑樹の剪定に最適なのは、気候が穏やかな春(3月~4月)か秋(9月下旬~10月)です。
逆に、絶対に避けるべきなのが「真夏」と「真冬」です。
- 真夏(7月~8月)がNGな理由
人間が夏バテするように、木も夏の厳しい暑さや強い日差しで体力を消耗しています。この時期に剪定すると、木は回復する力が弱っており、最悪の場合そのまま枯れてしまうリスクがあります。 - 真冬(1月~2月)がNGな理由
剪定の切り口が寒風や霜にさらされると、傷口が凍ってしまい、うまく治りません。そこから木全体が弱ってしまう原因になるため、厳寒期の剪定は避けるべきです。
この「真夏と真冬は避ける」というルールさえ守れば、大きな失敗は防げます。
2. 目的が違う!春の剪定と秋の剪定、それぞれの役割
常緑樹の剪定は春と秋の2回チャンスがありますが、それぞれ目的が少し異なります。
春の剪定(3月~4月):リフレッシュ剪定
春は、これから木が元気に成長を始める直前の時期です。このタイミングで、冬の間に傷んだ枝や、混み合った枝を整理してあげることで、木はすっきりとリフレッシュした状態で成長期を迎えることができます。剪定後すぐに新芽が伸び始めるため、切り口の傷跡も早く回復しやすいのが大きなメリットです。
秋の剪定(9月下旬~10月):整え剪定
夏の間にぐんぐん伸びて形が乱れた枝を整え、冬支度をするための剪定です。この時期に風通しを良くしておくことで、冬の間に病害虫が越冬するのを防ぐ効果もあります。ただし、これから寒くなる時期なので、木が回復する時間を考慮し、強い剪定は避けて軽めに整えるのがポイントです。
3. 基本テクニックを覚えよう!「透かし剪定」で風通しを良くする方法
常緑樹の剪定で最もよく使う基本テクニックが「透かし剪定」です。
これは、不要な枝を枝分かれしている付け根から切り取り、枝の数を減らしてあげる剪定方法です。
目的は、木の内部まで日光と風を届けること。
葉が密集していると、内部が蒸れて病害虫が発生しやすくなります。また、台風などの強風時に風の抵抗をもろに受けてしまい、枝が折れたり、ひどい場合は倒木したりする原因にもなります。
透かし剪定を行うことで、これらのリスクを減らし、木を健康に保つことができます。剪定ばさみを使い、絡み枝や内向きに伸びる枝などを中心に、丁寧に枝を抜いていきましょう。「木の内側から外の景色が見える」くらいが、ちょうど良い透かし具合の目安です。

4. 【樹種別】人気の常緑樹!それぞれの剪定のコツと注意点
暴れやすい「シマトネリコ」をスッキリさせるには
非常に成長が早く、放置するとあっという間に樹形が乱れるのがシマトネリコ。基本は「透かし剪定」です。幹が何本も立ち上がっている場合は、細いものを根元から間引くとスッキリします。大きくなりすぎた場合は、理想の高さで幹の「芯」を止め、それ以上高くならないようにすることも可能です。
美しい樹形を保つ「オリーブ」「キンモクセイ」
オリーブは、内側に向かう枝や下向きの枝を透かし剪定し、銀色の葉がきれいに見えるように整えます。キンモクセイは、花が終わった直後(10月下旬~11月頃)に剪定するのが鉄則です。夏に剪定すると、その年に咲くはずだった花芽を切り落としてしまうので注意しましょう。
きれいな面を作る「生垣」の刈り込み
生垣は、年に2回(6月頃と9~10月頃)刈り込むのが理想です。刈込ばさみを使い、まず天面(上面)を水平に刈り、次に側面を刈ります。この時、下側を少し広く、上側を少し狭く「台形」になるように刈ると、下葉まで日光が当たり、きれいに葉がそろいます。
5. 伸び放題はNG!常緑樹の剪定をサボることで起こるリスク
「忙しいから…」と剪定を後回しにすると、様々な問題が発生します。
- 病害虫の温床になる:枝葉が密集して風通しが悪くなると、内部が蒸れて害虫や病原菌の格好の住処になります。
- 木が弱ってしまう:内部の葉に光が当たらず、光合成ができなくなり、木全体の元気がなくなってしまいます。
- ご近所トラブルの原因に:伸びすぎた枝が隣の敷地に入ったり、落ち葉が迷惑をかけたりと、トラブルに発展するケースも少なくありません。
定期的な剪定は、庭の美観を保つだけでなく、木を健康に保ち、ご近所との良好な関係を維持するためにも不可欠なのです。
6. 【よくある質問】 常緑樹の剪定に関するQ&A
Q1. 「透かし剪定」と「切り戻し剪定」の違いは何ですか?
A1. 「透かし剪定」は、不要な枝を付け根から完全に取り除き、枝の「数を減らす」剪定です。風通しや日当たりを良くするのが主な目的です。一方、「切り戻し剪定」は、伸びすぎた枝を途中で切り、枝の「長さを短くする」剪定です。木の大きさをコンパクトにしたい場合に行います。常緑樹では、まず透かし剪定を基本とし、それでも大きさが気になる場合に切り戻し剪定を組み合わせるのが良いでしょう。
Q2. シマトネリコを小さくしたいのですが、どこまで切っていいですか?
A2. シマトネリコは比較的強い木なので、思い切って切り戻すことも可能です。ただし、一度にすべての枝を短くするのではなく、数本ある幹のうちの1~2本を低い位置で切るなど、段階的に行うと木への負担が少なくて済みます。また、理想の高さで一番太い幹(主幹)の先端を切る「芯止め」を行うと、それ以上は高くなりにくくなります。
Q3. キンモクセイの花が年々少なくなっている気がします。剪定が原因ですか?
A3. その可能性は非常に高いです。キンモクセイは、夏(7~8月頃)に来たる秋に咲く花の花芽を作ります。もし、夏に「形を整えよう」と剪定をしてしまうと、その花芽をすべて切り落としてしまうことになります。キンモクセイの剪定は、必ず花が終わった直後(10月下旬~11月)に、伸びすぎた枝を軽く整える程度にしましょう。
まとめ:適切な剪定で、一年中美しい緑を楽しもう
今回は、タイミングに悩みがちな常緑樹の剪定について、その基本を解説しました。
- 常緑樹の剪定は、気候が穏やかな春か秋に行う。真夏と真冬は避ける。
- 「透かし剪定」で、木の内部まで風と光を通すのが基本。
- 樹種ごとの特性(成長の速さ、花の時期など)を知ることが大切。
適切な時期に正しい剪定を行うことで、常緑樹は生き生きと健康な状態を保ち、一年を通してあなたの庭を美しく彩ってくれます。剪定は、単に木を切る作業ではなく、木と対話し、その健やかな成長を手助けする大切なコミュニケーションです。
この記事が、あなたの常緑樹との良い関係づくりのお役に立てれば幸いです。もし、ご自身での作業に限界を感じたり、専門家のアドバイスが欲しくなったりした時は、いつでも株式会社プラッツにご連絡ください。お客様のお庭に最適な管理プランをご提案いたします。
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